糸をほぐす

頭の中のからまった糸をほぐすように、文章を書いています。

2020年4月のひとりごと(パンデミックの中で)

アメリカの作家コニー・ウィリスの書いたSF「ドゥームズデイ・ブック」を再読している。タイムリープパンデミックの話。

現実がどうなるかわからないのに、架空の世界でもパンデミックを読もうというのは、先が見えない状況の中でなんとかして先を見たいと思うからだろうか。

小説の中のパンデミックでは、都市が封鎖され、医療関係者が疲弊し、物資や病床が不足する。タイムリープが絡み、現在と過去がパラレルに進んでいく中、自分のいる現実が頭の中でリンクして、3つの世界がパラレルに進んでいるように思えてくる。

でも、いま起こっていることは架空ではない。日常生活は脆くこわれてしまうのだということを、2011年から9年経ち、東京にいる私は忘れかけていたかもしれない。

 

物事には良い面と悪い面があり、コロナウイルスの影響で、世界の都市の環境汚染物質が減少していることは、今回のパンデミックの良い面。もちろん悪い面の方が圧倒的に多く、それがいつ収束するのかはわからない。良い面である環境汚染の改善も、一時的だいう意見もある。

 危機の中で、国や企業等の組織のトップがどんな態度をとるか、その人の理念がよく表れる。コロナウイルスによって、指導者や経営者の評価基準は変わっていくんじゃないだろうか。もしかしたら、それは良い面となっていくのかもしれない。

 

きっと、これに似たような状況は今後も起こる。これを切り抜けたら、次のパンデミックに対応できるよう、自分自身や身の回りを変えていかないといけない。そのために、考えよう。いろんなことを。そしてこの状況でもごはんを食べたりTVを見たりできるのは、その日常を守るために動いている誰かがいるから。日々感謝を。

 

この状況が少しでも早く良い方へ向かいますように。

 

  

 

 

ドゥームズデイ・ブック(上)

ドゥームズデイ・ブック(上)

 

 

 ドゥームズデイ・ブック(下)

ドゥームズデイ・ブック(下)