糸をほぐす

頭の中のからまった糸をほぐすように、文章を書いています。

しばらくの間さよなら、SMAP

スマスマの最後の放送が終わった。これでSMAP5人そろうのは最後らしい。

さびしい。ものすごいファンではないのに、泣きたいような気持ちになる。自分と同世代のSMAPというグループをデビューの頃から知ってはいたけれど、あの頃雑誌の付録でついていたポスターをクラスの誰もほしがらなかったのに、いつのまにかどんどんカッコよくなって、どんどんスターになって、誰もが知る大きなグループになって、解散することになった。

 

「不仲」だと報道されている5人だけれど、彼らにとって「SMAP」は仕事。仕事という分野において、仲の良さは必ずしも質の高い結果につながるというものでもなく、緊張感のある関係性だからこそ良いパフォーマンスを生むこともある。彼らの中でうまくバランスを取っていたのだから、外の人間がごちゃごちゃ言うのは無粋なことなんだろう。

 すべてのグループはいずれ何らかの形で解散する。だから解散するのは仕方のないことなのだ。そう思ってはいるけれど、もしかしたら彼らが番組の最後に乱入して「スマスマは終わるけど、SMAPは存続します!」と言うんじゃないか。いやそんなことはないだろうと思いつつも、もしかしたらとずっと期待していた。

けれど番組の最後に「世界に一つだけの花」を歌うために出てきた彼らの顔を見て、ああやっぱり解散するんだなあとわかってしまった。そういう顔だった。

 

スマスマでも流れた27時間TVでのノンストップライブ、「STAY」という歌の歌詞が心に残っている。

「僕らずっと共に歩こう

永遠なんて言わないからさ 5、60年それだけでいい」

5、60年一緒にいようと思っていたのに、もっと早く離れてしまったんだ。スマスマを見たときはそう思った。

 

1日経って今はこう思う。

歌詞では「たった50年」とあるんだけれど、「たった50年」の中に、誰かの感情を受けとめきれなかったり、何か状況がうまくいかない時期だってあるだろう。本当に50年一緒にいられるのだとしたら、そのうちの5年か10年くらい離れてしまうこともあるかもしれない。

50年の残り時間が少なくなってきたとき、5人の間にあったわだかまりが気づいたらなくなっていて、またSMAPをやろうとなっても、くたびれたオジさんたちになっていたらもう集まらなくていい。離れている時間にそれぞれ実績を積んで、渋みのあるカッコいいオジさんたちになっていて、そんな5人が集まるなら、同世代のオジさんアイドルグループとしてまた応援しよう。

それまでは、しばらくの間さよなら、SMAP