『逃げ恥』第10回 認識の違いから生まれた「愛情の搾取」
いろんなことがちょっとずつひっかかり、何について書こうか考えていたらなかなかまとまらず、時間がかかってしまった。
思考があちこちいったけど、みくりちゃんが言った「愛情の搾取」がどうして出てきたのかについて書く。
その前にまずひとこと言いたい、2人初めての夜について。
きわどいシーンは必要ないけど、パジャマでいちゃいちゃくらいは見たかった。オタオタするかわいらしい平匡さんが見たかったー。なのにぬいぐるみとロボホンて。
平匡さんが今までの道程を終わらせる過程もあっというまに。「そういうこと」って、事前にいろいろ考えているよりも、案外なんてことなく終わってしまった、ってことかもしれないけど。
では本題。
みくりちゃんと平匡さんのの関係は当初「雇用関係」だったが、それに「恋人」が追加されていちゃいちゃタイムをもつようになったことで、家事代行の仕事とプライベートの領域があいまいになってきている。
この仕事とプライベートの融合について、2人がどう認識しているのか推測してみたい。
みくりちゃんにとって、家事は「雇用関係」から発生する仕事。いくらプライベートに仕事が侵食されているとはいっても、家事は仕事だからきちんとやっている。
もし状況が変わって雇用契約を解消することになれば、みくりちゃんは平匡さんの家に同居する必要がなくなる。雇用関係がなくなってもつながっていられる、より強い公的関係=結婚でつながりたい。でも結婚願望がない(とみくりちゃんは思っている)平匡さんにそれは望めない。
結婚という公的な契約がなかったとしても、信じられるなら、それで一緒にいられるなら、どんな形でもいい。
みくりちゃんにとって、結婚とは雇用契約とは全く別の、より強い契約である。
平匡さんにとってはどうだろう。
みくりちゃんと恋人どうしになってからも、みくりちゃんが家事をするのは仕事なのだと頭ではわかっている。けれどどこかで「自分のことを好きだからやってくれている」という気持ちが入ってきたんじゃないだろうか。自分のことを好きなら、仕事じゃなくても同じことをやってくれるんじゃないかと。
リストラを言い渡され、収入が減って「雇用関係」が継続できなくなったら、みくりさんは出て行ってしまうかもしれない。どうやったら今の生活を続けられるのか。
そうだ結婚しよう。雇用契約が結婚に代わる以外は何も変わらない。
平匡さんにとって、結婚とは雇用契約を強化したものに過ぎない。いわば雇用関係の継続的契約である(平匡さんはこのことには無意識であるが)。
いやもちろんそれだけじゃなくて、日野さんの「結婚は生き抜くための1つの知恵」という言葉に共感したりして、結婚によって成立するお互いに対し責任を持つ対等な関係を望んでいる、ということもあるとは思うんだけど、「結婚」に対するみくりちゃんとの認識の違いは大きい。
これがみくりちゃんの側からみると「愛情の搾取」になる。
愛情の搾取とは「好きならやってくれる」または「好きな気持ちにつけ込む」とも言う。
「仕事だからやっている」みくりちゃんと、「(平匡さんを)好きだからやっている」と思い始めた平匡さん。雇われる側と雇う側の立場の違いが認識の違いにつながり、それが「愛情の搾取」になってしまった。
無意識に愛情の搾取をしている場合、自分の行為が「愛情の搾取だ」と気づくことは難しい。2人はこの問題をどう解決していくのだろうか。
来週はいよいよ最終回。
ちょっと待って、その前にひとこと言わせて。平匡さん。
やはりプロポーズの前に転職先を見つけるべきでしたよ。みくりちゃんを繋ぎとめたい気持ちが強いからとはいえ、仕事を探していると見せかけてプロポーズするレストラン探しって、現実逃避としか見えないんですが。平匡さんらしくない!
おまけ
もう一組のカップル、 結婚願望があまりない、百合ちゃんと風見さん。
17歳の年齢差は大きい。自分にあてはめると、20代前半の相手。うん、ないない。
でも年齢差なんて、結婚しなきゃというプレッシャーがなければどうでもいいことかも。
関係ないけど百合ちゃんが美術館デートではいていたスカートが素敵だった。けど高そうだなあ。
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