糸をほぐす

頭の中のからまった糸をほぐすように、文章を書いています。

不倫というものについて

不倫、という単語を今年もよく聞いた。

他人の恋愛なんて自分に関わって来ない限りどうでもいいし、それが不倫だろうがなんだろうがどちらでもいいと思っているのに、やっぱり見てしまう。電車の中の週刊誌の中吊りとか、ネットニュースとか。

なぜ 見てしまうって、他人の秘密を知る快感からとか、見てはいけないものを見たいという好奇心から、なのだろう。そんな快感があるなんて、記事で書かれた人たちを「ゲス不倫」なんて言いながら、ゲスはどっちだ、私の方じゃないかと思う。

 

「道ならぬ恋」や「背徳の愛」は小説の題材でもよく見るものだけれど、内容以前にその言葉自体に魅力を感じてしまうのは、禁忌を侵すという誘惑が存在するからかもしれない。ドロドロした甘美なものが隠れていそうな気がする。太宰治『斜陽』に出てくるかず子が幸せな恋愛をしていたら、ここまで名作と言われていただろうか。もしかず子が恋に満たされていたら、少なくとも『斜陽』というタイトルではなかったと思う。

 不倫が出てくる小説で印象的だったのは、高校生の頃読んだ夏目漱石の『行人』。当初は世間に許されない関係でも、2人が思いを貫けばいつか世間は真実の関係だと認めるようになるというようなくだり。不倫というより、時間の偉大さに衝撃を受けたような気もするけれど。現在のように移り変わりの激しい世の中では、そんなことあたりまえみたいだなあ。

 

不倫の歌というのはなぜか記憶に残る。斉藤由貴さんの歌で、彼女自身のことを書いたんじゃないかと思ったものがある。この歌がいつリリースで、20年以上前に騒がれたあの不倫がいつ始まったのか調べる気もないけれど、斉藤さんが自分で作詞された『今だけの真実』という歌。

今だけの真実

今だけの真実

悲しい恋だねと誰も言うけど

あなたしかいないみたい

私と同じ人

ありふれた恋を唯一の恋にするのは、まさにこの感覚だと思う。「私と同じ人」が「あなたしかいない」という感覚。

悲しい恋ではあるけれど、あきらめるつもりはないという、思いを貫こうという強さを感じる。

 

 

不倫の歌ですが、もう一曲、記憶に残っているのは、今井美樹さんの歌で『夢の夜』。歌詞は今井美樹さんが書いている。リリースした頃ラジオでご本人が歌を紹介されるときに、好きになってはいけない人と一緒にいるのはつらいことだけど、でも本心はどうなの、幸せに思うこともあるんじゃないかということを書きたかった、いうようなことを話されていた。そのコメントを聞いとき、この歌は今井美樹さんの経験なんじゃないかと思った。

夢の夜

夢の夜

 

このお2人は、今まで見た不倫騒動の中でも特に記憶に残っている。特に斉藤由貴さんは、劇的な結末だったし(最近のじゃなくて、20年以上前の方です)。

 

ここ数年で話題になったのはベッキーの不倫報道。彼女はあの騒動のあと、テレビでしばらく姿を見なくなった。彼女の場合、不倫そのものより嘘をついたダメージが大きいように思う。

最初に会見で「彼のことを好きです。いけないと思っても気持ちを止められませんでした」くらいのことを言っていたら、そのときは責められるかもしれないけれど、人は本気の恋に対しては寛容なところがあるから、もう少し早く復帰できたかも。

後からいくら「本当に好きだった」と言われても、人はなかなか最初に見たものの印象を変えることができない。

 

自分のことを考えると、不倫なんて疲れる恋愛はしたくないなと思う。不倫する人たちは体力あるよなあ、こそこそ隠れて会ったり、バレないようにスケジュールを合わせたり、そういうことに嫌みじゃなく感心してしまう。それをさせてしまうのが相手に対する思いとか肉欲の強さなのかもしれないけど。

 

今日はクリスマスイヴ。

そんな日にこの記事をアップするのはどうなんだろうと思いつつ。

メリークリスマス。