妄想と幻想を浮遊する
通勤中の電車の中でふと思った。
妄想と幻想の違いって何だろう。
ウィキペディアで調べてみると、妄想とは
その文化において共有されない誤った確信のこと
らしい。
ますますわからない。共有されない誤った確信って何だ。
彼は私のことを好きに違いない、ようなものだろうか。
幻想は、美しい幻?心がとらわれるような。
もし、美しい幻にとらえられてしまったら、そこから逃れることなどできるだろうか。『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ著)で本の中の世界へ行ったバスチアンのように、自分のすべてを失いかけるまで元の場所に戻って来られないのか。『黒い本』(オルハン・パムク著)で失踪した妻を追うガーリップのように、自己と他者との境界があいまいになりアイデンティティが崩れていくのか。
・・・こんなことを考えるのも、妄想と呼ぶだろうか。うーん。
だけど、美しい幻の中で、誰にも共有されない誤った確信を持って、ふわふわと漂っていたいときもあるよね。
ちゃんと現実に戻って来られるなら、それとも、現実と妄想・幻想との境界線を平和的に融解できるなら、そんな時間をもつのもいいんだろうな、なんてことをふわふわと考えた。