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糸をほぐす

頭の中のからまった糸をほぐすように、文章を書いています。

『刑事フォイル クリスマスの足音』

ドラマ

2018年1月8日(日)から『刑事フォイル』の新シーズンが始まりました。

このドラマは全部で第8シリーズまでありますが、前シーズンの放送が第4シリーズのパート1までというきりの悪いところで終わってしまい、続きが放送されるのを待っていました。

 

『刑事フォイル』の魅力

第二次世界大戦下のイギリスが舞台です。戦争を描いたドラマと言っても、主人公のフォイルはイングランドヘイスティングス署の警視正という役柄で、戦地に出るわけではありません。しかし戦争の影響は警察の仕事にも及んできます。

正義の定義を揺るがす大きな犯罪とも言える戦争の中、個人の犯す犯罪に対しフォイルがどのように自分の正義を貫くのか。そこが1番の見どころです。私が今まで出会った人や見た映画、ドラマ、読んだ本などの登場人物の中でも、フォイルは1番の理想の上司です。こんな人の下で働きたいと思ってしまいます。

フォイルの部下で運転手のサムのキャラクターも魅力。意外と機転が利いてカンがよく、彼女の言葉がフォイルの捜査のヒントになることもあります。明るくて裏表のない性格はまわりの人たちをなごませます。サムの今後の恋愛にも注目しています。

戦争に関連する事件、または関連なく起こる事件、それらを引き起こす人の感情が丁寧に描かれていて心に響きます。戦時下で個人の犯罪が軽視される状況など考えさせられることも多いです。よく練られた脚本の見ごたえのあるドラマです。

 

クリスマスの足音 あらすじ

<前編>

1942年12月。弾薬工場で働く女性が爆発事故を起こし死亡する。同僚が彼女の死を不審に思い警察署を訪ねてきたため、フォイルは捜査に乗り出す。一方、ミルナーのもとに別居中の妻ジェーンが突然現れ、もう一度やり直したいと迫る。しかし、ミルナーには付き合っている女性がいた。

<後編>

ミルナーの別居中の妻ジェーンが殺害され、ミルナーが容疑者として浮上する。二人が激しく口論する様子を目撃されていたのだ。ジェーンの血がついたシャツもミルナーの自宅から発見され、窮地に追い込まれる。弾薬工場での爆発事故を捜査するフォイルは、女性の死の真相を探ると同時に、自分の部下が容疑者となってしまった殺人事件を抱えることに。

 NHK BSプレミアム海外ドラマHP 『刑事フォイル』これまでのあらすじ より

 

 感想

印象的だったのは、ミルナーに不利な証拠が次々と出てきても、「ミルナーは殺人などしていない」というフォイルのミルナーへの信頼です。部下だからと言って特別扱いはせず、淡々と捜査を進めますが、フォイルの言葉でその信頼がわかります。

ミルナーの恋人イーディスが、ミルナーを心配するあまりフォイルの家に押しかけ

「彼(ミルナー)がやったとお思いなのね」

と聞いた時、

「思ってない。それは君でしょう」

と答えたフォイル。ミルナーに対する信頼がなければ、この言葉は言えないと思います。イーディスはフォイルに言われるまで、「自分はミルナーが殺人を犯したと思っている」という自覚はなかったんじゃないでしょうか。フォイルの人を見抜く目の鋭さがわかります。

全体としては、人の善意と悪意がからむ話でした。

ちょっとした悪意が大ごとにつながって引っ込みがつかなくなり、人を死に追いやる可能性を生んだり、また悲しむ人に対して何かしたいという善意を利用して、私腹を肥やそうとする人もいました。

やるせない出来事が詰め込まれた回でしたが、サムの明るさに救われます。押収した証拠物件の七面鳥がどうしても気になるサムは、証拠保管室を何度ものぞいてしまいます。食糧事情が悪化していても、クリスマスは近づいてきます。サムいわく「わびしいクリスマス」。あの七面鳥があったらと思っても証拠なので食べることはできず、少しずつ腐っていくのをただ見ているだけなんて。この七面鳥問題も最後にフォイルが解決します。いつもながらさすがです。

 

 

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